年金は若年層が高齢層を支える制度になります。
制度が始まったばかりの1965年は、高齢者1人を現役世代が約9人で支える「胴上げ形」でした。
現在は現役世代2人が約1人の高齢者を支える「騎馬戦型」です。
人口が1億人を切るとされる2053年には、高齢者一人を現役世代が約1人で支える「肩車社会」になる予想になります。
そうなると「現役世代の負担が大きすぎて、制度が破錠するのではないか」と思うかもしれません。
しかし、制度改正が度々行われています。
年金制度の歴史を振り返ってみましょう。
1942年に制定された「労働者年金保険法」により、初めて年金制度が出来ました。
この段階では、被保険者は男性のみで受給開始年齢は55歳です。
1944年に「労働者年金保険法」の名称が「厚生年金保険法」に改称され、被保険者の範囲が女性へと拡大しました。
この時期ではまだ受給開始年齢は55歳のままです。
1954年に「厚生年金保険法」が全面改正され、男性の受給開始年齢が55歳から60歳に変更されました。
しかし、いきなり開始年齢が変更になったわけではなく、4年ごとに1歳ずつ引き上げていく形です。
徐々に受給開始年齢を遅らせることによって、民衆の不満が表面化しないように計算されていることが分かります。
また、この時の女性の受給開始年齢は変わらず55歳のままです。
1961年に「厚生年金保険法」とは別の年金制度である「国民年金法」が施行されました。
国民年金の受給開始年齢は65歳で、この時から変更はありません。
1985年の「基礎年金」が導入されたことにより、20歳以上60歳未満の全国民で支える年金制度に変化。
また、1985年から2000年までに行われてきた、いくつかの年金制度の法改正により、「厚生年金」の受給開始年齢は男性が60歳から65歳に女性が55歳から65歳に段階的に引き上げられることになりました。
法改正は度々行われるので、将来的には年金をもらう年齢が100歳からになるかもしれません。
仮に100歳だとすると、医療が進んでいても寿命により、もらえる確率も低くなりそうです。
現段階の年金制度で人生設計を考えるのは、危険かもしれません。